今更だけど俺も『弱虫ペダル』ブームに乗りたい! 登場キャラのロードバイク推測

話題が何周回したのかもはや解らないレベルの『弱虫ペダル』ネタですが、作品に登場する自転車についてディープに考察したものがあまりにも少ないので、 俺の知識の範囲で「たぶん、こいつ」と思ったものを記録してみました。
原作漫画版のビジュアル表現をベースにしつつ、当該キャラクターの登場時期や キャラ背景設定などなどから推測しています。(なおアニメ版で使われているロードバイクは今回の考察対象外。原作で使われたメーカーの最近のモデルをベースに原作っぽいカラーに調整してるだけと思うんで、製品カタログを見るだけで簡単に推定できると思います)
当たるも八卦当たらぬも八卦、無責任に書き散らした駄文なので、間違えてても怒らないで欲しい。もし渡辺先生に突撃して真偽を確認した人がいたら、ぜひ結果を教えてくれくださいw
なお、御堂筋くんのロードバイク解説だけ やたらと細かいのは、俺の趣味だ。

小野田坂道

  • 【初登場時】ママチャリ(メーカー・モデル不詳)
  • 【1年生レース】部の備品のクロモリロード(メーカー・モデル不詳)
  • 【1年生インハイ後】BMC SLR01イエロー(カデル=エヴァンス ツール・ド・フランス制覇記念モデル)(2012)

坂道君の初登場時の自転車はもちろんママチャリ。母ちゃんによりギア比を弄られて高ケイデンス仕様にされてたのは有名ですね。坂道君はとても大事に扱ってたという設定なのに、勝手にクランクを交換されても鳴子君に言われるまで気が付かなかったのは、割と謎です。
一年生レースを機に部の備品のクロモリロードに乗り換え、インハイ終了まで使用。
インハイ優勝後からは、BMC SLR01の限定モデルに乗っています。カデル・エヴァンス選手が SLR01を駆ってツール・ド・フランスで総合優勝したことを記念し、BMC社が 世界限定120台で製作・販売したエヴァンス仕様のレプリカバイク。お値段 120万円越え也。このスーパーチャリをタダでもらった高校生ってば、すごい。
ところで、坂道君は典型的なクライマー脚質。一方、エヴァンス選手は典型的なオールラウンダーで、山岳では決して圧倒的な強さではなかった。・・・渡辺先生は なぜ坂道君にこのバイクを選んだの?? 謎です。

 
===(続きはここから)===

今泉俊輔

  • 【1巻〜27巻】 SCOTT CR1 Team Issue(2006)

特徴的なフォーク形状で簡単に判別できます。今泉君、金持ちで他にもいろいろ選べたろうに、けっこう渋いバイクに乗っているんだよなぁ。
CR1は かつて一世を風靡したフラグシップモデルで、むちゃくちゃ売れました。後継車種に世代交代した後も、カーボン素材を安価なものに変えつつミドルグレードモデルとして販売され続け、今なお生き残っている名機中の名機です。コミックスの表紙を見るとちょいちょい色が変わっている(2巻は青、23巻は白)ので、今泉は買い直しているのか、塗装を塗り直しているのかもしれない。やはりお金持ち。

 

  • 【27巻〜】SCOTT FOIL 10(2013)(2017/1/27追記)

インターハイの最終ステージの登りの勝負所で CR1が壊れちゃった今泉くん。買い換えたロードバイクは、翼断面 ISPを採用したエアロロード "FOIL" のホワイトカラーでした。
作中描写のコンポーネントは Di-2仕様のように見えますが、実は FOILの Di-2完成車グレード ”FOIL PREMIUM" にはマットブラックしか色設定がないのです。つまり今泉は、割高になることを厭わず、白い "FOIL 10" フレームセットを単体買いし Di-2仕様に組んでもらったと思われる。そこまでお金をかけたのに、ホイールはローハイトのアルミホイールとは、金持ちとはいえ予算が尽きたのか、今泉君のこだわりなのか。

 

鳴子章吉

  • Pinarello Prince CARBON SOE LIMITED EDITION(2008) ...ではなく、Pinarello FP3(2008) を推したい

見た目はまさに Pinarelloフラグシップ限定モデルのひとつ Prince CARBON SOE LIMITED EDITION。・・・なんだけど~、Pinarelloのバイクはフラグシップから下位グレードまで色も形もよく似ていて、漫画の絵では見分けが付かないんすよね。鳴子家の経済状況を考えると、これと見た目がそっくりな 廉価版、Pinarello FP3 2008年モデルの可能性もある。というより、鳴子君のキャラ設定的には寧ろそっちを推したい。

 

金城真護

  • TREK Madone 6.9 Pro(2009)

漫画の絵では たまに ランス・アームストロング全盛期の ホリゾンタルフレームな Madone SL 5.9っぽく見える構図があるけど(そっちのほうがランスがビジュアルモデルと思われる金城に似合ってると思う)、総じて見ると、ランス引退に伴いホリゾンタルの呪縛から解放された Madone 6.9以降の車種とみて間違いなかろう。おそらく Madone 6.9 Proではないか。
個人的には、金城は質実剛健な実直なイメージなので、TREKより BSアンカーが似合うのでは?と思ってる。

 

田所 "ちゅるりらー" 迅

  • Specialized Tarmac Pro SL(2009)

肉弾キャラのイメージ、そのまんまの選択と思われる。2010年前後の Specialized Tarmacは、パワー系のプロ選手がたくさん乗っている(そしてたくさん勝ちまくってる)イメージが強かったのです。伝説の名選手である(今はアブくんの筋肉に宿ってるw)ファビアン・カンチェラーラも、Team SAXOBANK所属の現役時には Specialized のロードバイクに乗っていたのだ。

 

巻島 "ショ先輩" 裕介

  • TIME VXRS Ulteam World Star(2008-2010)

高校生でこれに乗っているとはさすが金持ち。そして誰も聞いていないと思うが、俺の愛車でもある。
VXRS Ulteam World Starは TIMEの最高傑作といっても過言でない、本当に素晴らしいバイクです。「ロードバイクの教科書」と言われたほど速さや乗りやすさが評価され、プロのレースでもパオロ・ベッネィーニ、トム・ボーネンといった伝説的な選手がTIMEの自転車に乗って勝ちまくりました。
個人的にも、今でも保存用として新品を 1本 買い足したいくらい。

 

手嶋純太

  • Cannondale CAAD9(2009)

彼の連載での初登場時期を考えると、2009年頃の Cannondaleのラインナップと思われる。CAAD9もしくはSuperSix HI-MODのホワイト・リクイガスチームカラーではないかと推測したが、いずれも微妙にカラーリングが合わない(大人の事情を鑑みると、作中にリクイガスのロゴを付けられなかったからかも・・・)。
アニメ版では 見た目が CAAD10ブラックっぽかったんで、とりあえず原作版は CAAD9ということにしておこう。

 

青八木一

  • corratec FORCIA CARBON ALLOY

キャラ付けも地味で、自転車の描写は地味で、メーカーも日本では地味な corratecなのは確かなんだけど、車種モデルがイマイチ判然としない。手嶋と同様に2009年頃のモデルを想定すると R.T. Carbonかなとも思ったんですが、これ割と派手な色なんすよねぇ。地味なカラーリングを重視すると、カーボン製ではなくアルミ製のエントリーモデル coronesかなーと思ったんですが、それだとおもしろくない。
よし、FORCIA CARBON ALLOY ということでどうでしょう? アルミフレームの表面にカーボンを貼り付けた「見た目はカーボン。中身はアルミ」の小学生名探偵みたいな不思議なフレームです。
ところで、手嶋のチャリもアルミだし、青八木もアルミだとすると、連載初期は「主要キャラはカーボン、そうでないのはアルミ」みたいな作者内ルールがあったのかしらん。

 

杉本照史

  • Cornago Primavera(2008)

経験者だから、連載開始時点よりも ちょっと前のモデルから乗っていると想定。最初はアルミカーボンバックのARTEかと思ったけど(経験者だから)、描かれたバックステーがモノステーではないので違う。
ということで、おそらく フルアルミモデルの Primaveraと思われます。Primaveraは、デザインを Cornagoで、製造を GIANTのOEMで造ったバイクですが、作りもしっかりしており、アルミにしてはソフトな乗り味なまとまっていて、とてもいい出来映えのチャリだった記憶がある。

 

真波山岳

  • LOOK 595(2007)

2007年モデル 595のシンプルなカラーリングが一番 原作イメージに近い。
真波の登場時、「前作585から一転、剛性重視に振り切った595はクライマー向け自転車なイメージではないよな。彼を LOOKに乗せるなら 585じゃね?」とか思ってました。しかし実はこいつ、クソ重いギアを無理やり踏み倒す「お前はメルクス時代の選手か!?」キャラだったんですよね。結果として 595で良かったのかもしれぬ。

 

福富寿一

  • GIANT TCR Advanced SL2(2009)

コスパ最高、質実剛健、品質保証、買って間違いないチャリ部門 世界一 GIANT社の名作ロードバイクです。
自分の中で TCR Advancedのイメージといえば、なんといっても伝説のチャンピオンの一人 ヤン・ウルリッヒ。彼は フィジカルの強さはピカイチなんですけど、福富同様にメンタル面に弱いところがあって、ランス・アームストロングになかなか勝てなかったんですよね。福富を描くにあたり、作者もそのあたりを狙ったのかなと思った。(前述したとおり、金城のビジュアルはランスっぽい。ランスとウルリッヒの関係を金城と福富の関係に重ねてるように見える。)

 

東堂尽八

  • RIDLEY DAMOCLES ISP イタリアチャンピオンカラー(2010)

これは見た目そのまんま。きわめてわかりやすい。
漫画で最初に見たときは「このロードバイクって、東堂の得意な山岳レースよりむしろ、平坦・アップダウン・石畳なベルギーのクラシックレースなイメージなんだけど・・・」と思ったんよ。
当時 チーム・カチューシャに所属していたポッツァート選手が 2009年のイタリア選手権を獲ったときに、機材スポンサーのRIDLEYが記念モデルとして供給したのが この自転車。それを知った作者が、頭のカチューシャが チャームポイントの東堂をこいつに乗せた、ってことらしい。クライマー設定は関係なかった。

 

新開隼人

  • cervélo S2(2010)

連載登場当時は正直「サーベロは スプリンターが乗ってるイメージがない自転車メーカーなのに、何故これを選んだ???」感が満載でしたが、その後のチーム移籍に伴って世界最高峰のスプリンターの一人であるマーク・カヴェンディッシュ選手がバイク供給を受けるようになり、結果オーライでした。
サーベロのどの車種じゃいと探したんですが、これがなかなか見つからない。最初は無難に S2、S3あたりかな〜思って細かいく確認してみると、ワイヤーの取り回しかたが違っててハズレ。R系シリーズ(R3とか RSとか)かと思っても、漫画の絵ではバックステーがだいぶ太ましく描かれており違う。ドンピシャなのが見当たらないんよね。
まぁ 基本は S2をモデルにしており、ワイヤラインを作者が描き間違えてるっちゅー解釈で勘弁してください。(投げやり)

 

荒北靖友

このころの Bianchiって開発の方向性が定まらず迷走してた感あるが、もしかして第二次性徴期を迷走していた狂犬 荒北の過去に被せてるんかな?w
2010年頃の Bianchi製で、チェレステカラーで、かつビジュアルが合致しそうなモデルは INFINITOくらいしかなかった。実物の細かい造形が漫画描写と若干イメージ違うんですが、まぁいっか。(投げやり)
荒北くんのコスプレに使うなら、アニメ版の荒北チャリのモデルになったと思われる SEMPRE PROがよろしいんではないでしょうか。(投げやり その2)

アブ君

  • BH G4(AG2Rチームカラー)(2008〜2009)

あ、泉田塔一郎だっけ?
スペインメーカーの古豪 BH社のロードバイクフラグシップ Gシリーズといえば、伝説のクライマー、ロベルト・エラス選手が愛したバイク。アブ君はそのエラスとは真逆のスプリンター筋肉馬鹿なのに、なぜかこれを選んだらしい。やわらかしなやか系のフレームで、彼のライディングスタイルとは全く合わないのにね。
Gシリーズは歴史が長く、初代の Grobal Concept G-1から、G2、G3、と呼称を変えながらマイナーチェンジを重ねています。アブ君はどのモデルなのかと思っても、G5くらいまで「金型流用してんじゃね?」ってくらいにパッと見が似ていて、正直 漫画の描写ではどれだか正確には判別不可能です。仕方ないので、カラーリングが作中カラーページの塗りに比較的近い、G4の AG2Rチームカラーレプリカモデルということで。

御堂筋翔

  • DEROSA MACRO(2005)

漫画で描かれている御堂筋くんの自転車はとてもシンプルなシルエットのフレーム。しかし、それに不釣り合いな歪な長さのステムにシートポスト。「自転車を始めたころに 死んだ母ちゃんが買ってくれた思い出の自転車を、成長してサイズが合わなくなっても無理やり乗り続けている」という設定です。めっちゃ泣けるやん!いじらしいやん! その設定を最大限に鑑み、御堂筋くんがまだ幼少の頃、つまり弱虫ペダルの連載開始 2008年から数年前の初心者向けの製品、2005年前後の金属製の自転車と推測した。
もちろん、そんな深く考えず、御堂筋の連載初登場が2010年頃のそれっぽいカーボンバイク(ラグドカーボンなNEOPROあたり)がモデルになった可能性はもちろんある。しかし、私の心情的に却下である。
上記の前提で、初見で最もイメージに近かったのは、NeoPRIMATOなどのアルミ/スチール製品群だった。しかし、これらはどれも作中に描写されていたモノステー構造ではないので排除。また、作中の自転車描写でハイドロフォーミングのような複雑な形状は確認できないので、当時の MERAK等の高級アルミモデルでもない。というわけで、ちょうど 2005年当時に流行したアルミカーボンバックを採用したエントリーモデル、MACROと推測した。
自転車のことは全く分からないのに自転車屋さんと相談しながら必死に勉強、闘病費用で決して裕福ではなかったと思いますが 愛する我が子の為に少しでも良いものをと予算を精一杯背伸びし、この自転車に乗る息子の成長と活躍をこの目で見ることはおそらくないことを予感しつつ、とびきりレーシーな1台を贈った御堂筋母ちゃん。その想いを考えるたび、俺はさめざめと涙を流すのです。(注:俺の妄想です)