実業団連盟から栂池TT顛末の謝罪文書が出てました

栂池 個人タイムトライアル御参加のチーム各位 表彰式中止のお詫びと顛末
上記リリース情報を踏まえて,現場での私の体験とを併せて整理すると,こんな状況だったようです.
最終的に取られた「とりあえずスタートリスト通りに走って,異議申し立てした選手も走らせて,あとから整理する」というスタート地点の運営役員さんの判断は良かったと思います.だってあの状況ではそれしかないし,実態をみた落しどころの判断として納得出来るものでした.
今回のレース運営は「タイム計測がレース運営上のクリティカルパス」だったにも関わらず,計測障害リスクに対する事前検討がなされていなかったのが問題の根本だったと感じています.
(詳細は「続きを読む」から)

  1. 予選 2組目後半に,計測チップ受信機器故障による自動タイム計測の障害が発生(トラブルその1)
  2. 審判による手動計測にて対応すると共に,計時機器交換を実施
  3. 自動計測データと障害時の手動計測データとを照合・マージして予選リザルトを完成する作業を実施
  4. 12:30過ぎ,決勝スタートリスト速報版を大会本部にて発表・掲示
    1. 大多数の選手はこの速報版の情報を元に行動開始,アップ&決勝スタート地点に集合
  5. 決勝スタートリスト速報版への異議が相次ぎ,スタートリストに多数の誤りがあることが判明(トラブルその2)
  6. 13:00過ぎ,修正版スタートリストが間に合わないため 1時間の決勝スタート延期(トラブルその3−1)
    1. スタート順の速い人(僕も含む)はアップが無駄になり右往左往(不幸その1w)
    2. 一向に確定しない決勝スタートリストに予選通過ラインギリギリの選手は不安な時間を過ごすw
  7. 13:45頃,修正版スタートリストが決勝スタート地点に届けられる
    1. この時点で初めて予選通過と判定された為に決勝スタート時刻に間に合わない選手が多数発生(不幸その2w)
    2. 同じく,すでにゼッケンや計測チップを返却しちゃってる選手も多数発生(不幸その3w)
    3. 掲載されている予選通過者よりも速かったのにリストから漏れている選手も多数発生(不幸その4w)
  8. 修正版スタートリストは問題多数でこのままでは決勝スタート順が確定できないことが決定的となる
  9. 13:50分過ぎ,真の決勝出走可能者が確定しないままに荷物搬送車が出発
    1. 出走可能かどうか不確定な選手は荷物を預けるわけにもいかず,個人TTを荷物を背負って走ることが確定w(不幸その5w)
  10. 13:55分頃,更に 15分スタートが延期され 14:15決勝開始と決定(トラブルその3−2)
  11. 同時刻,スタート地点にて暫定対処方針が周知される
    1. 修正版スタートリストは問題があるが,まずはこれに基づいて決勝スタートを実施
    2. スタート時刻に間に合わない選手については,リスト掲載の最終走者出走後に出走枠を設ける
    3. 予選結果からみてスタートリストに異議あるものは役員に申告.修正版スタートリスト掲載走者出走後に追加して出走とする
  12. 14:15 決勝スタート
  13. 15:40 最終走者(つまり私w)スタート
  14. 16:25頃 全選手ゴール完了
  15. 17:00前頃 全選手下山完了,大会本部到着
  16. 表彰式中止(トラブルその5)

(補足追記1)実業団の表彰式中止はもっと早い時間に決定されました.
(補足追記2)計測トラブルは市民レースへの影響が更に大きく,14時頃には当日リザルト確定&表彰式を諦らめる事態でした.

(追記)所感と提言

勝負に絡む有力チーム・選手は必死でそれどころじゃなかったでしょうが,レース的には空気な選手(w)である私はお気軽な心境で(不謹慎な表現を使えば,ドタバタを楽しむ心持ちで)レースに立ち会うことができていました.その観点から,所感と提言のようなものをメモしておこうと思います.
「リスク計画の改善で挽回可能な問題と感じた」
たぶん今回の最大の反省点はここじゃないかと思ってます.こんなことが起きたらどうしよう?という不測の事態の洗い出しと対応方針検討はイベント運営の重要な仕事だと思いますが,ここが不十分だったように感じました.
今回の「計時機器障害によるリザルト集計トラブル」というのは確率的に起きそうなリスクですし,例えば今後はシステム冗長化等でリスク軽減も可能と思います.でも実は問題の本質はそこじゃなくて,レース運営の阻害リスクは集計トラブル意外にもいろいろあるわけで,今回は”たまたま”集計トラブルだっただけ.レース運営のリスク管理体制そのものを改善しないと,別のトラブルがおきたときにまた同様にグダグダになるんじゃないかと思います.
ちなみに,今回ぐだぐだになった挙句の土壇場になって方針が決まった後は,現場の運営役員の皆さんの動きはかなりしっかりして回り始めたので,最初からリスク管理をしっかりしてれば混乱は起きなかったんじゃないかという気がしました.
こんなこと実業団の中の人達は分かりきってることだと思いますが,こんなことを感じた KYな BRレーサーもいたよということで,笑って許して頂ければ・・・と.