20歳までに出会えてよかった10冊
「二十歳までに出会っておけばよかった10冊」というエントリを見たりして.でも,自分のしがない人生を振り返っても「20歳までに出あったホントに心を打たれた本」なんて何冊もあるわけないよなーなんて思ったり*1.そこで,10冊上がればそこで終了というルールで自分の心に残ってる本を思い当たった順に書き出してみた.
・・・けど,思いつくのは 6冊程度なのでした.面白かった本はいっぱいありますが,「人生」において出会いを喜べる本となるとそんなに沢山は無いですよねー.思い出したら 10冊になるまでは追記していこうと思います.
カール・セーガン「COSMOS」
彼は小学生の自分のヒーローでした.純粋な学術研究の世界よりも研究とエンジニアリングを繋ぐ立ち位置に意義を見出したのは,違いなく彼の影響が大きかったと思う.壮大な科学の世界を少年にわかりやすく語りかけ,ガンダムよりも強烈に宇宙の世界に引きずり込んでくれた一冊.宇宙の壮大さ,宇宙の中の地球の中の人類の中の自分,人類の意義をも考えさせられる,まさに科学は哲学であることを示してくれた本であります.
- 作者: カール・セーガン,木村繁
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局
- 発売日: 1980/11
- メディア: 単行本
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アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ大全」
講談社文庫版・鮎川信夫訳ホームズの復刊版の一冊.シャーロックホームズの鮎川訳の短編・長編が全部と原著イラストが収録されており,むさぼるように読みました.今のお子様が名探偵コナンにハマっているように,僕はシャーロック・ホームズに夢中になっていた! 物事を論理的に捉えようという姿勢はここから育まれたように思うし,一見冷徹なホームズのチラリとのぞくやさしさにドキュンときちゃったツンデレ萌えの発祥でもありますwww 本格推理小説の元祖の1つに上げられる作品ですが,推理要素だけでなく,秀逸なシナリオとキャラ立ちした登場人物(短編の依頼人であっても!)も魅力だったと思う.
- 作者: 鮎川信夫,コナン・ドイル
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1986/09
- メディア: 単行本
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那須正幹「それいけ!ズッコケ三人組」
これも小学生のころみんながハマってた和製冒険活劇,当然僕も夢中になって読みました.地元がこの小説の舞台のモデルに近かったので余計に物語にシンクロしてしまったってのもあります.小学生の三人組が小さな(けど結構凄い)大冒険に奮闘する物語は今読んでもワクワクしてしまう.特に「あやうしズッコケ探検隊」は夏休み直前に読みたい一冊.
- 作者: 那須正幹,前川かずお
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1984/03
- メディア: 新書
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ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
みんなご存知 SFの傑作.翻訳も大変だったと思いますが素晴らしい訳文になってます.もはや何を書いてもネタバレになっちゃうので未読の方はぜひ読んで欲しい.序盤はかなり読み進めるのが大変ですが,その大変さもこの作品の面白さの一つです.最後の一文まで楽しんで泣けると思います.
- 作者: ダニエルキイス,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1989/04/01
- メディア: 単行本
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藤子・F・不二雄「大長編ドラえもん のび太の恐竜」
マンガですみません.僕の幼年期の人格形成に大きな影響を与えた作品なのは間違いないので敢えて挙げさせて頂きました.もう少し古い世代の人は手塚治虫だったりするのでしょうが,僕ら世代はやはり藤子不二雄(AもFも).中でも「ドラえもん」にはとても大きな影響を受けた.僕は何をやらせても駄目な,ホントにのび太みたいな子だったけど,作中のひみつ道具で夢をかなえてもらったり,時々突き放されて自分で頑張るのび太に感情移入して読んでいたのだと思う.
大長編ドラえもん (Vol.1) のび太の恐竜 (てんとう虫コミックス)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1983/11/28
- メディア: コミック
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灰谷健次郎「兎の眼」
作者の灰谷氏はいろいろ政治的活動で物議をかもした人物でしたが,作品はやさしさ,子供の可能性,人間賛歌を謳ったとても素晴らしいものばかり.その中でも「兎の眼」は小学校の頃に読んだ小説でもトップクラスに面白かった一冊でした.ほんとに何度も何度も読み返しました.(そして何度も何度も泣きました.) 作中に登場する人物はとてもやさしくて,そのやさしさのために世の中の矛盾に毅然と抵抗していて,ホントにロックな奴らなのです.同じ作者の「太陽の子」も併せて読んで欲しい一冊ですが,やはり最初に読んだこっちが印象深かった.
- 作者: 灰谷健次郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/03/20
- メディア: 文庫
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