大脱走

お正月用に購入した「大脱走」の DVD.やばい.面白い.
個人的には,導入部における,ゲシュタポと収容所長のドイツ空軍士官のやり取りが凄く好き.あくまで軍人として振舞うという,所長の立ち位置を明確にする重要なシーンだと思う.ほどなくラムゼイ大佐が軍隊記章を所長に示して「脱走は将兵の任務だ」と脱走宣言するシーンがあるけど,所長の立ち位置が「軍人」だと明確化されてるからこそ,このシーンに意味があるのだ・・・と思う.すなわち,所長の管轄下にあるかぎり捕虜達は国際法によって地位を保証され,実際に脱走するまでは無意味に殺されることはないことが判る.だから脱走計画に悲壮感が出ず,痛快に見ることができるんですよね.
でも,軍服を脱いで脱走してしまえば管轄はゲシュタポに移るから,今度はスパイとして殺される運命になるわけです.「脱走する」というのがいかに重大な決断か.やがてストーリーは悲しい結末を迎えるわけだけど,これも導入部によって明確にされていたと思う.
すごく長い映画なんだけど,中だるみもしないし最後まで楽しめた.戦争映画の傑作だよなー.