今更・・・「ワープする宇宙」

僕は本を読むのが結構速いほうで,文庫本の小説だと1日で1冊読み終わってしまいます.そんなわけで長時間の電車通勤の暇つぶしに本でも読もうかと思ってもそこんじょそこらの本では(暇を潰せる時間的に)耐えられない.そこで,きちんと理解するのに時間のかかりそうな濃い内容の本を購入してみました.

ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く

ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く

物理学の解説本としては有名な 1冊で,ニュートン力学から素粒子物理学に至る物理学の進歩を学ぶには丁度良い本.今年のノーベル物理学賞がちょうど素粒子物理にフォーカスしているだけあって,タイムリーでした.
前半の過去の物理学の研究を解説する章は非常にわかりやすくてお勧め.量子力学不確定性原理の説明は,大学の授業なんかよりもずっと判りやすかった.あの頃もいきなり数式から入っちゃわずに,この本のように概要をお話で解説してもらってから数式で詳細を解説してくれると良かったのにな〜.
後半(著者の専門分野)になってくると,とたんに文章が難しくなってきます.多分,専門分野だけに熱意余って暴走気味なのと,新しい研究分野だけに,判り易い一般向けの説明ストーリーが(その分野の研究者達に)蓄積されていないんだと思います.でも,じっくり読めば大丈夫ですよ.
まぁ,後半に限らず,この本は基本じっくり読むべきです.積極的にページを遡って読み返しながら理解していくことをお勧めします.1章(20ページくらい)を 1日かけてじっくり読んでも良いくらいで,文章は論理的なので,学校で物理が苦手だった人でも 1行ずつきちんと理解しながら少しずつ読めば楽しめると思います.文章はしっかりしてるので,(時間さえかければ)下手な長編小説よりもずっと読みやすい.(笑)
難点を言うと,ハードカバーなので通勤にはちょっと大きい.文庫本サイズ・上下巻構成で出してくれると嬉しいなぁ.