アテネ,終わっちゃいました

世間の睡眠時間を散々削り取ってくれたアテネ5輪もようやく終わりました.今回はメダルラッシュだったこともあり TV観戦にも熱が入りましたが,勝った選手だけでなく,負けっぷりの見事な選手もよかったです.
男子体操団体の実況アナの「伸身の新月面の描く放物線は,栄光への掛け橋だ!」って台詞が話題になってましたが,オリンピックの舞台だとこういう臭い台詞も許せてしまうから不思議です.中継見ていて涙がブゥワーって来ちゃいましたもん.おそらく,NHKの実況の人は金メダルが決まったときの決め台詞としてずっと考えてたんでしょうね.感極まっちゃって,決まる前に先走って言っちゃったんでしょーけど.(^^;
個人的に今までのオリンピック中継で一番感動した実況の台詞は,バルセロナオリンピックの男子 400m決勝,高野選手のレースです.陸上短距離としては,60何年ぶりの決勝進出だったかな.周りはみんなガタイからしてまったく違う黒人選手ばかりで,どうみても勝てるレースじゃない.案の定,スタートからぶっちぎられて,ダントツのビリでゴールしたわけです.「やっぱ日本人,駄目じゃん」なんて重いながら見てたわけですが,そのときの実況の台詞.
「高野!! 高野は世界の8位です!!」
思わずハッとしちゃいました.次の瞬間,もうブゥワーって来ちゃいましたね(笑). もちろんみんな金メダル目指して頑張ってるんでしょうけど,やっぱそれに向かって死に物狂いで頑張る過程がスポーツの魅力なんですよねぇ.それが称えられる人数は上位のほんの一握りという厳しい世界ですが,メダルを取れた選手も取れなかった選手も「世界の○○位」なんだなぁと.結果としてビリッケツでも何ら恥じる必要は無い*1し,観客も責めちゃ駄目だなぁって思いましたね.あの実況で.
アテネでは相変わらずドーピングが大流行してしまいました.クスリを使った選手の中には,メダルを獲得したもののドーピングがバレた選手,バレなかった選手,クスリを使ってもメダルに届かなかった選手,様々だったと思います.そのいずれだったにせよ,少なくとも「“世界の○○位”を競う場から,自ら降りた」ことには変わりないわけです.5輪が終わった今,彼らの胸に去来するものは一体何なのか,ハンマー投げの室伏選手の言葉を借りれば「”真実の母オリンピア”のみぞ知る」ってとこでしょう・・・.
次回のオリンピックは北京.また4年後に楽しめるかと思いますが,時差が少ないので睡眠不足にはならずにすみそうですね.(笑)

*1:もちろん選手は満足しちゃいないと思うけど,観客も期待をするとは思うけど,それと恥じるとはまた別の話.