「啓示空間」読了

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

SFというよりもスペースオペラ古今東西のいろんな SFネタを盛り込んだ「ライトノベル」でした.ハヤカワ文庫というよりも,角川スニーカー文庫あたりが適切じゃないでしょうか?(笑) 士郎正宗の漫画ネタでありそうなストーリー&SF小道具,かなりジャパニメーションを意識しているはずです.間違いなくこの作者は狙ってこんな風味に仕上げたのだと思います.ひょっとして「日本でアニメ化⇒アメリカ輸入⇒印税でウマー」を狙っている??(笑)
オチは某モノリスシリーズっぽい感じがしましたが,まぁ結構良かった.ライトノベルとして読めば,かなり楽しめる作品だと思います.ただし,私の個人的な趣味(ハードSF)からは外れてたので,そっち方面を期待すると強烈にガッカリすると思います.構成はもっともっと練りこむべきですね.お話自体は 1000ページも使う必要の無いものだと思いますし,ページ数も多い上に場面転換が頻繁なのに章立てが悪いから,序盤がかなり読みにくかったです.SF小道具を沢山登場させた割には,ストーリーに消化できてないから,作品の長さの割には消化不良っぽい後味なのもペケです.
とはいえ,ページ分量は多いし暇つぶしに最適な一冊なのには間違い無いと思います.翻訳文も読みやすく頑張ってたと思いました.帰省の新幹線の暇つぶしに非常に貢献してくれました.:-)